中日が最下位脱出へドラフトで指名すべきは、1位で快速のリリーフ候補、2位で社会人屈指の強打を誇る内野手だ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略2022〜中日編

 ドラゴンズ再建の切り札として、満を持して立浪和義監督が就任した中日。一軍コーチ陣も一新して臨んだペナントレースだったが、終わってみれば最下位に沈んだ。

 投手陣は、チーム防御率3.28(リーグ2位)と健闘し、失点も495点(リーグ2位)に抑えてみせたが、チーム本塁打62は、村上宗隆がひとりで56本を稼いだとはいえ171本塁打のヤクルトのおよそ3分の1。414得点も含めて、3年連続12球団ワーストというから驚いた。

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補強ポイントは打てる野手だが...

 最下位チームは補強ポイントだらけ......が通例だが、一軍投手陣に関しては、2年目・髙橋宏斗(6勝7敗/防御率2.47)の台頭や、野手から投手に転向した根尾昂(登板25試合/防御率3.41)にもメドがついて、来季以降に明るい光が射してきた。となると、補強ポイントはやはり「タイムリーを打てるヤツ」ということになる。しかも、来季すぐに戦力になってくれる選手となると、かなりハードルは高い。

 となると狙いは、主力を務めたこともあった福留孝介、平田良介など、このオフ4〜5人が抜ける"外野手"となりそうだが、そこは昨年1位のブライト健太、2位の鵜飼航丞がいて、近未来のレギュラー獲得に向けて、じわりじわりと腕を上げている。

 また高卒3年目の岡林勇希が、今季セ・リーグ最多タイの161安打をマークして、リードオフマンに定着。さらに首位打者争い常連の37歳・大島洋平もまだまだ健在。ならば、内野手だろう。

 福永裕基(日本新薬/180センチ・83キロ/右投右打)は強打の三塁手で、セカンドも同等レベルでこなせる選手だ。大卒の社会人4年目、チーム内の立場は中堅だろうが、プレーはまだまだ若い。ポジションにつく時、ベンチに戻る時は常に全力疾走、ファーストストライクから果敢に攻めていける積極性も魅力だ。

 レフトにもライトにも同じような痛烈ライナーの長打が打て、守備では柔軟な身のこなしで、併殺プレーで見せる二塁送球の流動性、二塁手として逆ターンの身のこなしも見事。

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