ヤクルト高津監督が語る、緊急事態だったあの日と激動のペナントレース。CSは「勝つことしかイメージしていません」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

── コロナ離脱直後は2試合中止のあと、松元ユウイチ代行監督のもと試合が再開されましたが、1勝5敗と苦しい戦いを強いられました。

「隔離期間中は家でテレビ観戦していましたけど、わりと冷静というか、頭の回転はよかったかもしれないですね。リプレーやスロー映像も見られるので、新たな発見とはちょっと違うのですが、ベンチに座っている時には思わないようなことを考えたりできました」

── そのことで、復帰後の戦いにプラスになったことはありましたか。

「それはなかったです(笑)。やはり、ベンチで指揮をとるのと、テレビで見るのとでは感情が180度まったく違うんだなと。逆に言えば、それを感じられたことはよかったかもしれません。今回、現場を少し離れて実感したのは、ユニフォームを着て指揮を執らせてもらっていることへの幸福感でした。そこは自分が忘れかけていた部分でもあったかもしれないので、大切にしなきゃいけないなと、あらためて思いました」

耐え忍んだ後半戦の戦いぶり

── 主力選手たちが復帰しはじめ、チームはほぼ離脱前の状態に戻りましたが、前半戦のような戦いにはなりませんでした。今季最大の7連敗を喫したのもこの時期です。

「選手たちの体力が落ちていたことを痛感しました。10日ぶりくらいに顔をあわせたのですが、あきらかに顔がほっそりしている選手ばかりでした。そして、チームとしての体力も落ちていたというか。キャンプから呼吸を合わせて一丸となってやってきたことが、ずいぶんと落ちてしまったなぁと感じました」

── ただ7連敗脱出後は、最大で3連敗が一度あっただけでした。

「負けていいとは思わないですけど、先を見据えて戦っていました。まあ、勝ったり負けたりの繰り返しで、連勝もなかなかなかったですけど(笑)。そのなかで3タテを食うことはなく、最後のところでの踏ん張りがきいたゲームがたくさんあったと思います。今年の戦いを象徴していた気がします」

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