CS突破のキーマン、ソフトバンク松本裕樹の新球「サイドスピンチェンジ」はいかにして完成したのか (4ページ目)
松本はもともと右打者に対して外角のストレートを武器としており、そこに内角へのサイドスピンチェンジが加わることで、ストライクゾーンをより広く使って配球を組み立てられるようになった。
右打者にとって体に向かって落ちてくる軌道は対応しづらく、左打者は外に逃げていくボールの見極めをしなければならない。かつ、球速も一定以上あるので、見極めと対応に使える時間は限られている。そうした球種を現代ならではのアプローチで習得し、松本は今季躍進を果たしたわけだ。
「もともと器用なピッチャーで、変化することも恐れません。そういう意味では貪欲ですよね。来年は、もうワンランク上にいける素質を持っている選手だと思います」
高島トレーナーがそう語るように、今季の松本は入団時に期待されたようなスケールの大きさを見せた。9月から好調を維持し続けるリリーバーの存在は、逆襲を誓うソフトバンクにとって頼もしい限りだろう。
まもなく始まるポストシーズンでも、宝刀と言える武器を身につけた松本は、西武、そしてファイナルステージで待ち受けるオリックスに大きな壁となって立ちはだかるはずだ。
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