高木豊がセ・リーグCSのキーマンに挙げたのは「阪神の青柳晃洋」。短期決戦で勝負を分ける各チームの戦い方は?

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 10月8日から始まるクライマックスシリーズ(CS)。セ・リーグはシーズン2位のDeNAと3位の阪神がファーストステージを戦い、その勝者がファイナルステージに進んでリーグ覇者のヤクルトに挑む。

 今年のセ・リーグCSはどんな展開になるのか。かつて大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)で活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊氏に投打のキーマンや勝負のポイントなどを聞いた。

CSでの活躍が期待される(左から)DeNAの桑原、ヤクルトの村上、阪神の青柳CSでの活躍が期待される(左から)DeNAの桑原、ヤクルトの村上、阪神の青柳この記事に関連する写真を見る***

――各チームの状態をどう見ていますか?

高木豊(以下:高木) シーズン終了の段階で考えたら、状態が悪いのはヤクルトです。打線が繋がるのかどうかわからないこと、先発ピッチャーが少し安定性に欠けることが心配です。リリーフ陣は少し疲れが抜けて、おそらく本来の力を出せると思いますが、3チームを比較した時に少しバランスが崩れているかなと。

――DeNAはどうですか?

高木 DeNAはシーズンの最後まで試合が詰まっていたので、選手たちは試合勘を維持できていたと思いますが、CS前の空いた4日間をどう過ごしたかが大事です。試合をやっている時はあまり疲れを感じないでしょうけど、ゆっくり休んだ時にどっと疲れが出てくることがありますからね。

 特に9月の試合日程が過酷でしたし、雨の中でも強行で試合をやっていましたから、疲れは相当たまっていると思います。ただ、今永昇太、濵口遥大など先発ピッチャーはある程度いい。(エドウィン・)エスコバーが心配なだけで、ほかのピッチャーはシーズン通りの力を出せるんじゃないかと思います。

――阪神はどうですか?

高木 阪神はやはりピッチャーがいいです。失点は少ないと思うので、いかに点を取るかですね。青柳晃洋がどこで投げるかが注目されていますが、僕はDeNA相手に投げさせるよりも、ヤクルト戦に備えて温存していたほうがいいと思うんです。

 青柳はDeNAよりもヤクルトのほうが相性がいい(防御率は対ヤクルトが2.38、対DeNAが3.18)。ヤクルトが山田哲人や塩見泰隆など、主力バッターを下げてまで対策を練るぐらいですから。対するDeNAには、青柳との相性が抜群の神里和毅もいますしね。僕は3チームの中で状態が一番いいのは阪神だと思っているんですが、青柳をヤクルト戦に持っていくようなローテーションを組めば、勝ち上がる可能性が高くなると思いますね。

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