高木豊がセ・リーグCSのキーマンに挙げたのは「阪神の青柳晃洋」。短期決戦で勝負を分ける各チームの戦い方は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

DeNAと阪神の投打のキーマンは?

――DeNAと阪神の勝負を分けそうなポイントは?

高木 おそらく派手な打ち合いにはならず、競った試合になると思います。ただ、1点を取るスキルがあるのは阪神です。足が勝負のカギを握ると思っていますが、阪神は走れる選手が多いですよね。いかに1点をつかみ取るか、という戦術は阪神のほうが仕掛けやすいでしょう。

――リーグ戦と短期決戦のCSは、やはり別物?

高木 そうですね。DeNAは阪神に16勝9敗と大きく勝ち越しましたが、短期決戦ではこの数字はあてになりません。DeNAは、いかに打線の状態を維持して入っていけるかでしょうね。打線のつながりという点ではDeNAのほうが上だと思いますが、いい具合に火がつくかどうか。ホームランバッターは少ないですけど、だからこそ攻撃のリズムを早い段階でつかめるかもしれません。

 阪神は、大山悠輔や佐藤輝明など"大型のバッター"が早くリズムに乗れたらという感じでしょうけど......試合間隔が空いているので、きっかけをうまくつかめるのか。ただ、どちらかというと大山も佐藤もきっかけをつかむのが苦手なタイプなのが不安ではありますね。

――両チームの投手のキーマンは?

高木 DeNAは初戦に出てくるだろう今永です。阪神は先ほども挙げた青柳。DeNA相手に投げるかどうかわかりませんが、そこも含めてCSのキーマンです。

―― 一方、打者のキーマンは?

高木 DeNAは桑原将志ですね。今年は1番に桑原が入って塁に出ると、けっこう点につながるんです。チームがリーグ戦の後半に調子がよくなったのは、桑原が1番に固定され始めてからですし。佐野恵太や牧秀悟、宮﨑敏郎などは安定しているので、桑原がいかに塁に出られるかどうかがカギです。

 阪神は大山でしょう。シーズン中もチャンスで大山に回ってくることが多かったですし、そういう"運"もあるのかもしれないですね。中野拓夢や近本光司はある程度塁に出るでしょうから、大山がそれを返せば......という場面もあるかもしれません。

 DeNAと阪神は真逆ですね。DeNAは走者を返すバッターが安定しているので、その前に出塁するバッターがポイント。阪神は出塁が求められるバッターが安定しているので、走者を返す中軸がポイントになります。

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