高木豊がセ・リーグCSのキーマンに挙げたのは「阪神の青柳晃洋」。短期決戦で勝負を分ける各チームの戦い方は? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

ヤクルトは山田と塩見の出来がカギ

――先ほど、「3チームの中では阪神の状態が一番いい」という話が出ましたが、やはりファーストステージは阪神が優位?

高木 打者のキーマンも挙げましたが、やはり野球はピッチャー中心。DeNAもそこそこ揃っていますけど、やはり力があるピッチャーが豊富なのは阪神です。ただ、阪神が勝ち進むにしても、2試合とも得点が少なくて完封勝利といった形であれば......ヤクルトにとっては"想定内"というか怖さはそこまでないと思います。逆に阪神が打ち勝ってきたらすごく嫌でしょうね。もともと投手力がある上に、打線の勢いがついてしまうわけですから。

 ヤクルトもリリーフ陣の疲れが多少抜けて調子を戻したので、投手戦でも戦える自信はあると思いますが、できれば早い回である程度のリードを奪いたいところ。根比べのような試合展開になると、阪神のほうが終盤で計算できる投手が1、2枚多い気がします。

――ヤクルトに関して、シーズン終盤に調子を崩していた村上宗隆選手をどう見ていますか?

高木 村上は三冠王も達成して56号も打ちましたから、気持ちは吹っ切れているはず。DeNAと阪神は、村上の状態はよくなっていると考えておいたほうがいいでしょうね。あと、CSではホームランではなく勝利を期待されているので、『ホームランを打たなければ』というプレッシャーもありません。ある程度、余裕を持った状態で打席に立てると思いますよ。

ポイントは塩見と山田です。この2人が機能するかどうかは、ヤクルトにとってすごく大きい。山田が打った時はほとんど勝ちますし、塩見が塁に出たら大量得点につながる場面が多いですから。塩見は体の状態が少し悪く、山田も相当疲れていましたが、2人の調子がよければ2番の山崎晃大朗らはある程度の仕事をすると思いますし、得点力が増すと思います。

――村上選手は相手のマークも厳しくなるでしょうね。

高木 大事なところで歩かされることもあるでしょうね。ただ、後ろを打つ(ホセ・)オスナがシーズン終盤に当たっていたので、簡単に村上との勝負を避けるということにはならないでしょう。

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