王貞治超えの56号、令和初の三冠王...ヤクルト小川GMに聞く「村上宗隆はいかにして日本人最強打者となったのか」 (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

── ヤクルトのGMとして、これからの村上選手に期待することは何ですか。

「彼のこれまでの野球への考え方や取り組みを見ていると、数字はそれなりについてくると思います。僕としてはやはりチームを引っ張っていく存在として、誰もが一目置く4番バッターというところでさらに成長していってほしいなと。今でも十分なんですけどね。守っていても、今はそれだけの存在感が出ていますし。

 村上がここまで成長したのは、もちろんチームメイトや周りの人間に恵まれた部分はあると思います。でも、一番は彼の努力と頑張りだと思うので、それを大事にさらに成績を伸ばしていってほしいですね」

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 祝福の夜、村上は試合後の会見でこのような言葉を残した。

「打った感触と打球を見ながら、久しぶりのホームランだったので、『あぁこの感じだな。気持ちいいな』と思いました。(56号について)こうして、偉大な方の記録を破ることができてうれしいですけど、もっともっと、王(貞治)さん、野村(克也)さん、落合(博満)さんといった、いろいろな先輩方が、もっともっと偉業を成し遂げていますので、こういう成績をこれからも続けて残せるように頑張っていきたいです」

 野球とは語り継がれていくスポーツなのだとあらためて実感したのだった。

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