もしあの巨人戦でKOされていたら...中込伸が「山田勝彦のおかげ」と感謝する92年の覚醒秘話 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

「何回も投げていたらそういうこともありますけど、やっぱり記録を達成できないところは普段の行ないの悪さですね(笑)。早いうちにトントントーンと勝てたもんで、今だから言える話ですが、遠征に出れば飲み歩くようになってたんです。

 野手は毎日試合があるんで気も遣いますし、ピッチャー同士、酒飲み連中と一緒に行って、すごく飲んでましたね。ただ、地方に行った時だけは新庄を連れて行ったり、亀山を連れて行ったり。今の亀山はすごく真面目に仕事していてすごいなと思いますけど、当時は酒乱で、酔うと怖い、危ない男でした(笑)」

 若さの勢いで何事にも突っ走れる面もあれば、若いがゆえの経験不足で気が張り詰め、ミスを犯すときもある。酒で発散したくなるストレスも溜まりがちだったのだろう。外から見ている者としては、実績に関係なく、プロならではの息抜きではと思ってしまう。

「でもね、飲み歩いたら、やっぱりそれだけ食べちゃいますよね。そしたらどんどん太って、コーチ連中に怒られました。案の定、夏バテして勝てなくなっていったんです」

後編につづく>>

(=敬称略)

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