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プロ初勝利、初完封、球宴初出場...順風満帆から一転、ソフトバンク大関友久がガン疑いの発覚直前に語っていたこと (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

今シーズン、2度完封勝利を挙げるなど好調だった大関友久だが...今シーズン、2度完封勝利を挙げるなど好調だった大関友久だが...この記事に関連する写真を見る プロ入りは育成ドラフトだった。昨年5月末に支配下入り。昨シーズンはすべてリリーフで12試合に登板して勝敗なしだったが、今季は開幕ローテーション入りを果たすと、3月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)で初先発し、7回途中1失点で見事プロ初勝利を飾った。

 4月は中継ぎに回ったが、先発復帰すると5月7日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初完封を達成。さらに6月25日の日本ハム戦(PayPayドーム)では無四球完封もやってのけた。

 現時点で今シーズン2度完封を記録しているのは、パ・リーグでは大関と伊藤大海(日本ハム)のふたりだけである。

 前半戦を終えた時点で6勝5敗、防御率2.70の成績。この活躍が認められてオールスターゲームに監督推薦で選ばれていた。

 大関との取材は、やはり話題の入り口はオールスターゲームのことだった。

「正直、すごいプレッシャーでした。初めてのオールスターですから、どんな雰囲気なのか想像もできていなかったので。何もわからないまま投げたという感じです」

 球宴に初出場すること自体が栄誉なことだが、大関はさらに栄えあるオールスターゲーム第1戦のパ・リーグの先発投手に大抜擢されたのだ。

 まだ入団3年目で、昨年春までは育成で、今年プロ初勝利を挙げたばかり。ソフトバンクには数多くの育成出身のスターがいるが、千賀滉大や甲斐拓也をもしのぐスピード出世である。多くの野球ファンが驚いたに違いないが、それは大関自身も同じだった。

「オールスターの2日前に球団マネジャーから連絡があったんですけど、第1戦に投げるという部分だけ読んでいて『先発』の文字を見落としていたんです。すると翌日に広報から『明日の第1戦先発の意気込みのコメントをよろしく』と言われて、その時に初めて知りました(笑)。自分が第1戦先発なんて、まさかないだろうと思っていたので......」

球宴出場で芽生えた思い

 普段とは違う重圧のなかで臨んだ晴れの舞台。舞台はPayPayドームだったから慣れたマウンドのはずなのに、やはりさまざまなことが違っていた。

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