新庄剛志に始まり、今年の秋山翔吾も。NPBに復帰したメジャーリーグ日本人打者13人に共通して言えること (5ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kyodo News

現役NPB選手は青木、福留、秋山

 2002年ドラフト1位でロッテに入団した西岡剛(現・福岡北九州フェニックス選手兼監督)は、2011年から2シーズンにわたってミネソタ・ツインズでプレー。2013年に日本球界への復帰を決意したが、奈良出身で高校時代は大阪桐蔭の4番だった男が復帰先に阪神を選ぶのは自然の流れだった。

 2013年は1番・セカンドでレギュラーとして122試合に出場して打率290。ベストナインも獲得した。ただ、翌年からはケガとの戦い。復帰してレギュラーを獲得しかけては再び故障という悪循環に苦しんだ。2018年かぎりで阪神の戦力外となりトライアウトにも参加。NPB復帰を目指して2019年からは独立リーグの栃木でプレー。2021年からは福岡北九州フェニックスで選手兼任監督を務めている。

 今年45歳の福留孝介は、2008年から2012年までカブスなど3球団でプレーしたのち、2013年に古巣・中日ではなく阪神に入団。1年目こそ故障の影響で63試合の出場にとどまったものの、2014年から2019年までレギュラーを張った。

 2020年シーズンに極度の打撃不振に陥って戦力外となると、2021年からは古巣・中日へ。今季は母校PL学園の先輩でもある立浪和義新監督のもと、開幕から代打の切札として起用されたが、結果を残せずに交流戦後から二軍降格となった。アトランタ五輪やWBCでも存在感を示した勝負強さを、再び一軍の舞台で発揮してもらいたいものだ。

 復帰組の野手を振り返って改めて思うのは、日本球界で一流になった選手だけがメジャー挑戦の土俵に立っているということ。これが投手なら二軍でくすぶっていたり、アマチュアから挑戦という道もあるが、野手にそれはない。そして、日本球界に復帰後は、故障などがないかぎりは、やっぱり一流としてのインパクトを残している。

 コロナ禍の難しい状況のなかでMLB挑戦した秋山も、再び身を置いた日本球界で一流選手らしい成績を残してくれることだろう。そうなればシーズン後半戦、「1強5弱」というセ・リーグの勢力図がよりスリリングなものになっていくはずだ。

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