高木豊が大混戦パ・リーグの6球団を分析。前半戦を見て「最も優勝の可能性を感じる」チームは? (5ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

日本ハムの目指すべき打撃

――打線のキーマンは誰になりそうですか?

高木 紅林です。彼が打つ試合は勝つことが多い。そういうところは、阪神の大山悠輔とよく似ています。昨年、チームが苦しいときや優勝争いをしている時に3番を打っていましたが、そういう経験が今後に生きてくると思います。

――最後に、5チームに離されてしまった日本ハムについて。

高木 日本ハムは開幕前から「優勝は目指さない」という方針で、(新庄剛志)ビッグボスがチームを改革している最中です。意識改革もそうですが、選手の適性を見るためにもいろいろなポジションで起用したり、当初の宣言通りやっている印象です。

 上沢直之が足の骨折で離脱中ですが、加藤貴之や伊藤大海など先発投手陣がけっこういい。ただ、後ろにいくにつれて弱くなっていっていくので、リリーフ陣が改善されると試合を作れる回数が増えると思います。

――足の骨折で離脱中ですが、松本剛は打率.355で首位打者を独走中。清宮幸太郎は前半戦で11本塁打を放っているほか、今川優馬、万波中正など若手が躍動しています。

高木 他にも野村佑希や上川畑大悟など、魅力のある若い選手は多いですね。中堅どころの松本がしっかりしてきて、近藤健介も健在。後半戦は、来年以降の基盤になるだろうメンバーを固定して巻き返しを......と期待していた矢先に上沢と松本が骨折と、ちょっとアテが外れてしまったかなと。ただ、来年以降に向けてのチーム作りは着実に進んでいくでしょうし、楽しみです。

――特に期待している選手は?

高木 清宮ですね。ホームラン20本を目指すより、打率を上げる努力をしていると、逆にホームラン数も増えていくと思います。ホームランを打つと打率が上がる西武の山川のようなタイプもいるのですが、基本的には逆だと思います。

――後半戦の注目は、やはりロッテ?

高木 そうですね。先ほども話したように足が使えて、つながりで勝負できる点が大きい。

投手陣が改善されて、山川が好調な西武も推したいですが、エラーの多さが気になります(失策数はリーグワーストの66)。これから緊迫した試合が続く中で、どう影響するか。ただ、パ・リーグは最後の最後までもつれる可能性が高いと思いますよ。

(セ・リーグ編:大失速した巨人の弱点と首位ヤクルトの対抗馬として阪神、DeNAを挙げた>>)

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