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山川穂高、8番降格の屈辱に「ふざけるな」。2年越しで見えた明るい兆し「お尻がハマる感覚」 (5ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

伝統的な4番にこだわりたい

 公言する今季の目標が、全試合4番だ。主に求められる項目は本塁打、打点、打率だが、山川は3つの"つながり"をどう考えているのか。

「この2年で変わっていまして、できることをやります。なので、打率はもういいです」

 そう言うと、引き合いに出したのは昨年のホームラン王だった。

「ラオウ(杉本裕太郎/オリックス)は言っても32本じゃないですか。32本を打ったことではなく、打率3割を打ったことがすごくて。僕はホームランに特化した選手だと思うので、2割7分、まあ2割5分以上でいいです。4番を打つためには勝負強さもすごく大事だと思うので、120打点。ホームラン40本は絶対ラインです」

 近年、いわゆる"4番像"は変化しつつある。セイバーメトリクスやビッグデータベースボールの影響も大きいが、山川がこだわるのは伝統的な姿だ。

「僕としては、"4番・五十幡"(亮汰/日本ハム)とかあり得ない。語弊がないように言うと、新庄(剛志)さんがあり得るのはいいですよ。新庄さんのチームですから。でも、僕のなかで4番と言えば長嶋茂雄であり、王貞治、落合博満、原辰徳、松井秀喜。4番というのはチームを勝たせて、『打てなかったら4番のせい、打ったら4番のおかげ』と言われる場所でありたい。

 ライオンズは中村(剛也)さんがずっと4番でした。去年、一昨年は僕がずっと4番で、悪い時に代わったりしていたけど、そんなことが二度とないように。『4番は僕です』っていう成績を出したいですね」

 山川が誰より4番にこだわるのは、アイデンティティのようなものだからだろう。

 スマホのスピーカー越しに明るい声を聞いて、開幕が待ち遠しくなった。

36歳でキャリアハイの要因は。中村剛也に4択クイズで迫った

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