山川穂高、8番降格の屈辱に「ふざけるな」。2年越しで見えた明るい兆し「お尻がハマる感覚」

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

理想の落合博満を求めた結果

 2カ月連続月間MVPでフィニッシュした2017年後半から翌年にかけて、山川が見せた活躍は鮮烈だった。2018年は3・4月に月間MVPの好スタートを切ると、47本塁打で同タイトルを獲得、リーグ2位の124打点で年間MVPに輝いている。

 翌年も43本塁打でホームランキングの座を保持し、2年続けて120打点の大台に乗せた。西武が果たした21年ぶりの連覇は、ちょうど山川の打棒爆発と同時期に刻まれたものだ。

 豪快な打撃を炸裂させていた2018年夏、山川は理想の打者像を落合博満氏と明かしたうえで、将来像をこう描いている。

「落合さんは先に首位打者をとってから三冠王になっていますよね(※1981年に首位打者、翌1982年に三冠王)。僕も本当は打率も残したい。今は2割8分くらいですけど、それでは全然物足りない。でも率を先に考えると、『ホームランを打てないんじゃないか』という怖さがどうしてもあるんです。

 落合さんの著書を読んでいると、基本的にバックスクリーンに全部ホームランを放り込むイメージを持っていたと言っていました。落合さんは打席でホームランを狙いつつ、打率も3割5分を残すのは圧倒的ですよね」

 2018年に初の本塁打王を獲得した山川だが、翌年夏を境に打撃の安定感を落としていく。メディアや評論家に要因と指摘されたのが、同時期にテレビ番組で落合氏と対談したことだった。シーズンオフならよくある類(たぐい)の企画だが、ペナントレース中に行なうのは感覚が狂う危惧もあり、たしかに極めて異例だろう。

 山川にすれば、打者として向上するヒントを探し、自ら希望した対談だった。実際、2018年に果たした飛躍は「センターに本塁打を打つ」という落合氏にも重なるイメージが背景にあった。そうして2年連続本塁打王に輝いた一方、グラウンドで成績が出なくなれば、一転して批判されるのがプロ野球の常でもある。

 迎えた2019年オフ、山川は打撃フォームを改造した。見た目で最もわかりやすいのは、大きく上げていた左足の動きを抑えたことだ。身体の近くにミートポイントを寄せ、持ち前の長打は残しつつ、打率も高めようと試みた。

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