ロッテ井口監督、非情なる決意「もう若手を特別扱いしない。勝つためだけの采配をする」

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu
  • photo by Chiba Lotte Marines

千葉ロッテマリーンズ・井口資仁監督インタビュー(後編)

前編:いざ常勝軍団へ。井口監督が明かす令和のデータ野球>>

 2年連続2位から今年こそ悲願の優勝を目指す千葉ロッテマリーンズ。インタビュー前編では、昨シーズンの戦い、いま取り組んでいることを中心に語ってもらったが、後編はパ・リーグを制するために何をすべきなのか、今シーズンの具体的な戦いについて聞いた。

2022年のスローガンを掲げるロッテ・井口資仁監督2022年のスローガンを掲げるロッテ・井口資仁監督この記事に関連する写真を見る

令和の常勝軍団になるために

── さて、今年は例年にも増して若い選手の活躍が目についています。昨年は開幕から安田尚憲選手を5月末まで4番で使い続けるなど、若手の育成にも力を入れてきましたが、今シーズン「絶対に優勝する」という方針のもとで、期待の若手をどう一人前にしていこうとお考えですか?

「はっきり言えば、今シーズン、僕は勝つためだけの采配をします。一昨年、昨シーズンは若い選手を我慢してでも使ってきた部分が多くありましたが、もう『期待の若手だから』という特別扱いはしません。今年は結果を出してもらうシーズンです。安田、藤原(恭大)、山口(航輝)らも、去年と同じような成績だったら今年は一軍に残れないでしょう。それだけチーム内の競争も激しくなっているし、ルーキーを含めほかの選手も上がってきていますからね」

── 2025年、令和の常勝軍団になる。という目標を達成するには、今年優勝するだけでなく、期待の若い選手にもブレイクしてもらわなければなりませんよね。

「もちろんです。2025年の頃には、年齢的に彼らも中堅に差しかかってくるので、チームの中心として引っ張れるような存在になってほしいですし、そのための経験を積ませ、意識改革などもしてきています。ただ、もう、彼らもそういう年ですからね。昨年までは打席の経験を積ませるためにバントもさせませんでしたが、今年はチームが勝つためならバントもさせると言ってあります」

── "最上の策"がバントであれば、中心選手の荻野貴司選手や中村奨吾選手であろうとバントをしています。

「もちろん、そういう時はあると思います。ただ同時に、彼らにはバントという作戦を取らせるようでは、本当はダメだと思って欲しいという話もしています。このキャンプで彼らを見ていると目が変わってきた感じはします。チームを引っ張るという強いものを感じます」

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