いざ常勝軍団へ。ロッテ・井口監督が明かす令和のデータ野球「すごい時代になりましたよ」

  • 村瀬秀信●文 text by Murase Hidenobu
  • photo by Chiba Lotte Marines

千葉ロッテマリーンズ・井口資仁監督インタビュー(前編)

 オリックスバファローズの25年ぶりの優勝で幕を閉じた昨年のパ・リーグ。歓喜の陰で2年連続の2位、優勝マジック3のまま、あと一歩のところで優勝に届かなかった千葉ロッテマリーンズの今年のスローガンは「頂点を、つかむ。」。千葉移転30周年の節目となる2022年、ついに本気になった。

 それは正月の深夜、テレビ東京で「あなたの知らない千葉ロッテの世界」なる特別番組が放送されたところから、"今年は何かが違う"という異変を感じさせていた。営業面を引っ張ってきた公式マスコット"謎の魚"は引退し、幕張の海へと還した。

 佐々木朗希は初登板の練習試合で163キロを投げ、高校生ルーキー松川虎生は大器の存在感を放ちまくる。期待の和製大砲・安田尚憲に山口航輝、背番号1になった藤原恭大、ケガをしない荻野貴司というレボリューション。

 チーム戦略部を立ち上げ、データを駆使した新しい野球の地平を拓き、フロント・現場が一体となって"令和の常勝軍団"への挑戦という道のりを歩みはじめた。はたしてロッテは、今年こそ悲願のペナントレース優勝を果たせるのか。"下剋上"の歴史に幕を降ろさんと燃える井口資仁監督に話を聞いた。

今年こそ悲願の優勝を目指すロッテ・井口資仁監督今年こそ悲願の優勝を目指すロッテ・井口資仁監督この記事に関連する写真を見る

スローガンに込めた思い

── 就任5年目のキャンプも石垣島での1次キャンプを終えました。捲土重来を期する今シーズン、井口監督も朝5時起きで精力的に動かれていると聞きましたが、選手たちの姿からは去年までとは違うものを感じますか?

「すごくいいですね。2月1日の選手たちの仕上がり具合を見て、本当にびっくりしました。昨年の秋季練習がいい内容で11月のギリギリまでやれましたが、オフが短くて逆によかったかもしれませんね。『この筋肉量に仕上げてキャンプに入ってこい』と、選手一人ひとりに課したノルマを全員がクリアしてきましたから。やはり去年あと一歩のところで悔しい思いをしたので、今年は何が何でも優勝したいという思いがみんなのなかにあると感じていますね」

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