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プロ野球でクビから1年半で医学部合格。元DeNA寺田光輝の馬鹿にされてもめげない生き方 (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 山本 雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

【「裏口入学だろう」と心ない憶測も】

 最終的に、目標を東海大学医学部一本に絞ることにした寺田は、プロ野球をクビになってから勉強をはじめ2年目に入った2021年6月の編入試験で見事合格を果たした。

 実は、そんな寺田の東海大学医学部入学について、ネット上では心ない憶測がささやかれていたりもした。

「裏口入学じゃないかって、すごく言われたんですよ。僕からしたらふざけんなっていう感じですけど。でも逆の立場で考えたら、確かにプロ野球選手が1年とちょっと勉強して医学部に受かっていくとなったら、そう思ってしまうかもなとも思いましたけど」

 当然だが、裏口入学の事実はない。そこで、寺田は実力で入ったことを証明しようとした。

「だから、僕は授業中、先生に『これわかる人?』って聞かれる時には積極的に答えるようにしました。本当に勉強していたので答えはわかりましたし、疑いを払拭しようと思って、アピールも込めて。もちろん、先生が期待している答えとは違うことを答えたりしちゃったこともありましたけど。

 そういうことをしていたら、同級生が、『寺田って本当に受験で受かったんだ』となってきたんです。それで、『やった!』って(笑)。本当にめちゃくちゃうれしかったです。同級生はみんな年下ですけど、今ではタメ口でしゃべってくれたり、気を遣ってくれているのかどうかわかんないですけど、僕のなかではみんなと楽しくやらせてもらってます」

 トップアスリートから医学の道へ進むなど、異色の経歴を持つ人に対しては、裏口入学や特別枠、出来レースだなどと、あらぬ疑いをかけられることはありがちのようだ。

「やっぱりそういう偏見を取り除きたいと僕は思います。スポーツ選手のなかには、もしかしたら、そんなふうに言われるのが嫌だっていう理由で、本当にやりたいことを目指さない人もいるかもしれない。僕は全然裏口なんかしてないと言えるから、おかしなバッシングみたいなのをなくしたいですね」

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