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中日・石川昂弥に必要なのは村上宗隆流の育成法か。将来の「真の4番」へ打ちたい布石 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 この1年が、一軍のスピードに慣れ親しむための貴重な時間になったのだろう。3年目にはクリーンアップに定着して、打率3割をクリア(.307)。そして4年目の昨年は不動の4番として39アーチを放ち、本塁打王のタイトルを獲得。球界を代表する長距離砲としての道を歩んでいる。

 これほどのスラッガーに成長できたのは、村上自身の才能、努力はもちろんだが、ポジションを与え、辛抱強く使い続けたヤクルトの勝利と言えよう。

 高卒ルーキーをファームで鍛えることは必要だ。だが、「高卒選手はファームで3、4年......」とひと昔前のようなことをしていると、気がついた時にはファームがピッタリお似合いな選手になってしまう。それが怖いところだ。

 石川も「将来の4番候補」として獲得した選手だ。ならば、ある程度の結果には目をつぶって、一軍の4番として使ってみてはどうか。4番を任せられるまで待っていたら、間違いなく「ファームの4番」になってしまう。そうした選手をこれまで何人も見てきた。

 また「プレッシャーがかからないように」と下位で使っていると、不思議なもので6、7番あたりがちょうどいいバッターになってしまう。

 報道によると、2月から始まる春季キャンプで石川は3年目にして初めて一軍スタートとなった。そのことからも立浪和義新監督が石川に寄せる期待の大きさがうかがえる。はたして、石川は球界を代表する打者となれるのか。勝負の3年目がいよいよ始まる。

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