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サプライズケーキにふたり旅...市和歌山のドラ1コンビ・小園&松川はまるで恋人同士⁉︎ (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Kyodo News

 バッテリー6年目の今年、センバツには出場したが、最後の夏は和歌山大会決勝でライバルの智辯和歌山に敗れた。高校野球を終えて、夏休みもほぼ毎日学校で練習を重ねてきたが、一緒に夏休みをと取った時期があった。2人ふたりは小園の母方の実家にある宮崎に、2泊3日で旅行に出かけたのだ。

「向こうでぶどう狩り、梨狩りに行きました。日南の鵜戸神宮にも行ってきました。3日間、ずっと天気はよくなかったのですが、楽しかったです」(小園)

 その時に撮影した動画には、白い袋に包まれた梨に触れ、おそるおそるもぎってうれしそうに笑う松川が映っていた。そんな相棒を撮影する小園の笑い声もかすかに響く。小園の母・優佳さんが明かす。

「うちの母からは『恋人同士みたいにずっと一緒にいたよ』って言われました」

 今秋のドラフトで小園はDeNA、松川はロッテから1位指名を受けた。同じ学校からバッテリーで1位指名されるのは史上初の快挙だった。

 帽子のツバに「ニコイチ」と書き合ったふたりは、プロの世界ではライバルとなる。松川は「健太の一番いいアウトコースのストレートを打席で見てみたい。対戦するのはすごく楽しみ。健太は状況を見て試合をつくれるピッチャーだと思いますし、いずれは日本を代表するピッチャーになると思います」とエールを送れば、小園は「中学の時、初めて打球を見た時からレベルが違うと思いました。プロではホームラン王を獲れる選手になると思います」と称えた。

 当たり前のように一緒にいた相棒とともに過ごす時間もあとわずかだ。少しずつ寂しさを実感していくのかもしれないが、小園は「離れていても連絡は取とれますし、そこは大丈夫です」と気丈に語った。

 いつも自然体で"ニコイチ"で歩んできた高校野球からプロの世界へ。今後、ふたりがどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみでならない。

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