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サプライズケーキにふたり旅...市和歌山のドラ1コンビ・小園&松川はまるで恋人同士⁉︎ (2ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Kyodo News

 そう話す松川の表情は嫌がるどころか笑顔である。そんな松川について、小園はこう語る。

「虎生は今まで怒っているところを見せたことがないんです。いつも優しいし、誰かにきつく当たるところも見たことがありません」

 もともと極度の人見知りだった小園は環境に慣れるのに時間がかかり、幼い頃は人と距離を置くこともあった。ふたりが出会った当初も、どちらかといえば松川から小園に近寄ることが多かったが、今では小園から声をかけ、松川をいじることも多いという。

 ただ、グラウンドでは逆だ。今春のセンバツでの県岐阜商戦、3回に無死一、二塁のピンチを招くと、松川はすぐさまマウンドに向かい、小園の肩を抱き、声をかけた。この時、小園は極度の緊張状態に陥っていたという。

「センバツは甲子園練習や開会式がなく、あの試合がぶっつけ本番で......球場の雰囲気に一気に飲まれてしまったんです。今まで緊張したことがなかったので、自分でもどうしようかと思っていたんです」

 5回終了時のグラウンド整備時も、ベンチで松川が小園の肩をほぐし、リラックスさせることに努めていた。そんな松川の支えがあったからこそ、小園はここまで成長を遂げたと言っても過言ではない。

 半田真一監督は以前こんなことを話していた。

「(昨年秋から)小園を大きく取り上げていただき、それはすごくありがたいことなのですが、今の小園があるのは松川の存在が大きかったから。だから松川も大きく取り上げられてもおかしくない選手だと思うんです。小園もそう思っているんじゃないですかね」

 松川の存在について、小園は次のように語る。

「虎生がいるから思いき切り腕を振れるし、変化球を投げられる。ストッピング技術も高いですし、本当に安心して投げられる。あれほどのキャッチャーはいないと思います」

 昨年の春、松川が小園に"サプライズ"を仕掛けたことがあった。週末に小園の家に泊まりに行った時のこと。ちょうど、小園の17歳の誕生日が近かったこともあり、ケーキを持参した。ワンホールのケーキには「バッテリー5年目」というプレートまで添えられてあったという。

「あれはビックリしました。ものすごく感動しました」

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