ヤクルトからの戦力外通告に「オレだったのか」。近藤一樹が独立リーグでNPB復帰より果たしたいこと
近藤一樹(38歳)は昨年オフにヤクルトを戦力外となり、現在は独立リーグ・四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズで選手兼投手コーチとしてユニフォームに袖を通している。
「練習しているとめっちゃ日焼けしますし、車にはプツプツプツという跡がずっと残るんですよ。拭いても取れないので水滴じゃない。なんだろうと考えたら、海からの潮なんですよ。これまで自分の住んでいる場所を意識したことがなかったんですけど、『あー、香川で暮らしているんだな』と。コロナ禍ということもあって、街のよさを深く知れないのがすごく残念です」
香川オリーブガイナーズの選手兼投手コーチとして活躍する近藤一樹この記事に関連する写真を見る 近藤を訪ねたのは盆が終わった頃。香川での生活も半年が過ぎ、近藤の"現在地"が気になっていたからだ。
チーム練習が始まると、コーチとして若い選手たちに向き合っていることがすぐにわかった。
「香川に来るまでは、ここから上(NPB)を目指すのは当然のことだと思っていたのですが、コーチ兼任となるとそうはいかないというか......半分は引退した気持ち、半分は選手として勝ちたい気持ち、喜びたい気持ちがあります」
実際、コーチ業は大忙しで、ストレッチをしている時も選手たちがアドバイスを求めにくる。投手としての練習を終えれば、ミット片手に野手ノックの返球を受ける。ノックをする生山裕人コーチ(元ロッテ)の携帯が鳴ると「こういう日もあります(笑)」と、ミットをバットに持ちかえる。
NPBにいた頃は誰よりも早く準備をしていたが、そのルーティンも今は難しい。
「球場に早く入りたいのですが、時間借りなのでそれができないんです。なので、部屋で体を動かしてから球場に向かうこともあります」
この日、レクザムボールパーク丸亀で予定されていた試合は、大雨の影響もありグラウンドコンディション不良で中止。室内施設での練習が決まり、近藤は選手に指示やアドバイスをするため動き回っていた。
「あとは選手各自が課題に取り組みます」と、ベンチに座り取材が始まった。
1 / 5