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ヤクルトからの戦力外通告に「オレだったのか」。近藤一樹が独立リーグでNPB復帰より果たしたいこと (2ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

「戦力外と言われた時は『オレだったのか』という感覚でした。これまでオフが近づくと『この人は今年限りかな......』と思ったりして。それで去年もなんとなくそんなことを考えていたところ、『オレもそうだったんだ』と。そこで気持ちがスパッと切れてしまったのか、次の日から体中が痛み始めたんです。痛すぎて寝返りできない、眠れない、落ち着かない。オレはこんなにボロボロだったのかと......(笑)」

 近藤は2018年にリーグ最多となる74試合に登板し、35ホールドを記録。ヤクルトブルペン陣に欠かせない存在だったが、昨年は「シーズンを通して状態がすごく悪かった」と20試合の登板にとどまった。

「次にどの道に進めばいいのか......それがわからないことが問題でした。『オレもそろそろ』という心の準備をまったくしていなかったので。いったん野球から離れてみようと考えたこともありました。でも、体が動くときやらないと絶対に後悔するだろうし、野球ならやって後悔したとしても納得できると思ったんです」

 気持ちの整理がつくと「最後の舞台になるかもしれない」と、トライアウトへのチャレンジを決めた。ボールを投げられる体ではなかったが、3人を打ちとり満足のいく結果を得られた。

「NPB球団から連絡はありませんでしたが、海外や社会人チームなどいくつかオファーをいただきました。そのなかで香川から『選手兼任コーチで』というお話をいただき、NPB復帰を目指しながらコーチ業もできるのかと、お願いすることにしました。そこからようやく自分の方向性が見えてきました」

 香川オリーブガイナーズの前年の成績は4球団中3位。選手のなかにNPB経験者はおらず、近藤智勝監督のもと、新任の近藤コーチ、生山コーチ体制で今シーズンをスタートさせた。

 近藤は2月にチームに合流。初めて選手を見た時の印象は「これで大丈夫か?」というものだった。

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