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侍ジャパン、試合を決めた山田哲人の読み。西山秀二が選んだ韓国戦の陰のMVPは? (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by JMPA

── 降板した6回は変化が見られましたか。

「韓国のバッターがだいぶ慣れてきて、フォークにもついてきました。それと山本自身にも疲れが出てきたと思います。1点を返されて、なおも無死一、三塁の場面では追い込んでから甲斐とサインが合わず、マウンドで話し合うシーンがありました。結果的にスライダーで三振をとるのですが、ここですべてを出しきりましたよね。このあと、岩崎(優)に代えて同点にされるのですが、継投は正解だと思います」

── 日本は同点の7回から伊藤大海投手をマウンドに送りました。

「伊藤が2イニングをビシッと抑えてくれたのが大きいですよね。完全に日本に勝利を呼び込みました。韓国戦の陰のMVPだと思います」

── 具体的にどこがよかったですか。

「投げっぷりがいいですよね。球種は真っすぐとスライダーだけですが、躍動感がすばらしい。真っすぐと同じスピード、同じ軌道でスライダーがくるので、バッターとしてはタイミングを合わせづらい。韓国の打者は完全に翻弄されていました。最高のピッチングを見せてくれました」

── 全体的に甲斐捕手のリードはどうでしたか。

「ピッチャーの特徴をすべて掴みきっているわけではないので、難しさはあったと思います。でも、6回にマウンドにいって山本と話し合ってサインを決めたように、慎重になる場面は細心の注意を払ってリードしていました」

── 攻撃では0対0の3回無死一、二塁で山田に、1点リードの5回無死二塁では坂本にいずれも送りバントのサインを出しました。稲葉篤紀監督の采配はどうでしたか。

「どうやったら1点入る確率が高いのかを考えながら、采配していた印象を受けました。それよりも選手たちが自分のすべきことを理解しながらプレーしていました。3回には無死一塁から甲斐がバントを決められず追い込まれましたが、食らいついてライト前にヒットを放ちチャンスを広げました。坂本も5回にバントを2度失敗したあと、ライトフライでランナーをサードに進めました。みんな自分を犠牲にしてでもチームのために最善を尽くす。これが徹底されていますよね」

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