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東京五輪の正捕手に推したい捕手は? 谷繁元信がパ・リーグの捕手を診断

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

谷繁元信のセ・リーグ「捕手診断」はこちら>>

 今季のパ・リーグは約60試合を終え、首位の楽天から5位の西武まで6ゲーム差にひしめいている(成績は6月9日時点)。各チームともに決め手を欠き、混戦が続きそうな気配のなか、「捕手」という観点から見ると、一歩リードしているのがソフトバンクだ。

西武の正捕手の座を掴んだ高卒8年目の森友哉西武の正捕手の座を掴んだ高卒8年目の森友哉この記事に関連する写真を見る 正捕手の甲斐拓也がここまで全62試合で先発出場。エース千賀滉大やクローザー森唯斗が故障で離脱するなか、チーム防御率3.33はリーグトップだ。盗塁阻止率.424は同じくリーグ最高で、打っても打率.261(リーグ17位)、7本塁打(同10位タイ)、29打点(同12位タイ)と下位打線で存在感を放っている。

 甲斐は2010年育成ドラフトで入団し、強肩を武器に球界を代表するキャッチャーに成長した。リード面で課題を指摘されることもあったが、捕手として通算27年間の現役生活を送った谷繁元信氏は、配球面でも成長が見られると語る。

「甲斐のリードを見ていると、こういうふうにバッターを抑えようという意図が伝わってきます。工藤(公康)監督は厳しい目で見るので、『まだまだ』と思われているかもしれませんが、ある程度のレベル以上はできるようになってきました。

 以前はシーズン中の"ここ"という場面や勝ちゲームの最後にベテランの高谷(裕亮)と交代していたけれど、それはどこかに"手詰まり"があったからでしょう。今年は最後までマスクをかぶる試合が増えて、チーム内の評価も上がっていると思います」

 2017年からチームのメインでマスクをかぶるようになった甲斐だが、当初は試合終盤になると髙谷に代えられることも少なくなかった。しかし今季、髙谷は4月5日に登録抹消となり、甲斐がマスクをかぶったままゲームセットを迎える試合が増えている。試合の最後まで任されるのは、首脳陣の信頼の証と言えるだろう。

 ちなみに7月後半に行なわれる東京五輪の野球日本代表でも、甲斐は正捕手の最有力候補だ。谷繁氏が捕手として推すのは、甲斐と梅野隆太郎(阪神)だという。

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