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東京五輪の正捕手に推したい捕手は? 谷繁元信がパ・リーグの捕手を診断 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

「体が元気なことも含め、トータル的な判断ですね。甲斐も梅野も今年、そこそこ打っています。ふたりとも肩もありますしね。甲斐は短期決戦の経験があるのも大きいです。オリンピックはベンチ入り人数が限られているので、体が強い選手がほしい。そう考えると、このふたりだという気がします」

 話をパ・リーグの捕手に戻すと、他の選手について谷繁氏はどう評価しているのだろうか。

「正直、みんな伸び悩んでいますよね。たとえば、オリックスの若月(健矢)、日本ハムの清水(優心)。高校からプロに入って、なんとかチームとして育てようとして使ってもらったけど、結局そこまで伸びずに今に至っている。もったいなく感じますね。ロッテも楽天も、みんな何かひとつ欠けている」

 2013年ドラフト3位でオリックスに入団した若月は、西村徳文前監督時代にメインで使われていたが、昨年5月から中嶋聡監督(当時監督代行)が率いると出番は減少していく。今季は打撃を持ち味とする頓宮裕真と伏見寅威が多くのチャンスを与えられている。

 2014年ドラフト2位で日本ハム入りした清水は今季、チームで最も多く先発マスクをかぶっているが、打率.220の打撃が課題だ。宇佐見真吾や石川亮も併用されているものの、いずれもアピールし切れていない。

 ロッテは田村龍弘が左太もも裏の肉離れで4月27日に登録抹消され、以降は大卒2年目の佐藤都志也が中心となって起用されている。捕手はさまざまに思考を巡らせることが多いなか、持ち味の打撃をどれだけ発揮できるかもポイントになりそうだ。

 楽天は太田光が第一捕手として出場しているが、「打率が低いし(.207)、スローイングも安定性に欠ける」と谷繁氏は指摘する。

 そんななか、圧倒的な打力で定位置を掴んでいるのが西武の森友哉だ。

 昨季は不振に陥ったものの、今季は3試合をのぞいてすべて先発マスクをかぶり、4月30日に打率.262だったところからリーグ7位の打率.293まで上昇させてきた。8本塁打(リーグ8位タイ)、21打点(リーグ23位タイ)と長打力も光っている。

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