岩瀬仁紀が東京五輪「侍ジャパン」に絶対に入れるべき19人を選出

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 東京五輪が予定どおりに開催されれば、野球競技は7月28日にオープニングラウンドが始まる。そこでスポルティーバでは、鋭い視点を持つ野球評論家に「最強の侍ジャパン」を選んでもらった。今回登場するのは1002試合登板、407セーブというNPB記録保持者の岩瀬仁紀氏(元中日)。

 五輪野球代表メンバーの上限は24名だが、岩瀬氏は「絶対に選んでほしい」という19選手をセレクト。15年連続50試合以上に登板した鉄腕は、意外な左腕をリリーバーに抜擢した。

東京五輪では侍ジャパンのエースとして期待がかかるオリックス・山本由伸東京五輪では侍ジャパンのエースとして期待がかかるオリックス・山本由伸【先発投手】
山本由伸(オリックス/右投右打)
大野雄大(中日/左投左打)
森下暢仁(広島/右投右打)
柳裕也(中日/右投右打)

【中継ぎ】
宮城大弥(オリックス/左投左打)
栗林良吏(広島/右投右打)
平良海馬(西武/右投左打)
又吉克樹(中日/右投右打)

【抑え】
松井裕樹(楽天/左投左打)

 本来なら菅野智之(巨人)と千賀滉大(ソフトバンク)が先発陣の軸になるはずでしたが、2人とも故障を負ってしまいました。そこで頑張ってもらわないと困るのは、山本由伸。高い期待をかけられるだけの能力は十分にあります。彼のよさはボールの強さと制球力を兼ね備えていること。そして何といっても、フォークという絶対的な落ちる変化球があることです。

 国際大会で通用する投手は、昔はよく「横変化のスライダーが大事」と言われていました。でも、今は縦に落ちるボールを持っている投手が有利だと感じます。あとはカーブのような球種で緩急を使えると、なおよしです。

 その点、大野には縦に落ちるツーシームがあります。左打者に食い込むボールがない点だけがネックですが、中日の元同僚としても、期待したいところです。

 森下は落ちるチェンジアップに加え、縦に大きく変化するカーブがある。若くて勢いに乗っている点も高ポイントです。

 そして、今季成長著しい柳を強く推したいです。ストレートが強くなり、右打者にも左打者にもインサイドの厳しいコースを突けている。もともと制球力のいい投手だったこともあり、ストライクゾーンで勝負できる今は常に投手有利なカウントで攻められる。日本を代表する投手になりつつあります。

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