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絶賛売り出し中の若手投手12人を山本昌が徹底分析。新人王、2ケタ勝利も狙える (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

田浦文丸(ソフトバンク/4年目・21歳/左投左打/2017年ドラフト5位)
5試合/1勝0敗/防御率7.11

 体は大きくないものの(168センチ)、甲子園で活躍した秀岳館高時代からリリーフタイプだろうと見ていました。今季は中継ぎで活躍していますが、ストレートの球威を見てもプロでの3年間の成長を感じます。

 彼の持ち味はなんと言ってもチェンジアップ。ストレートと腕の振りがまったく一緒で、いい抜け方をします。低めに決まれば、短いイニングで攻略するのは難しいでしょう。やはり明確な決め球を持っている投手は強いなと感じます。これからも強く腕を振って、イキのいい投球を見せてもらいたいですね。

栗林良吏(広島/1年目・24歳/右投右打/2020年ドラフト1位)
9試合/0勝0敗6セーブ/防御率0.00

 ルーキーでいきなり抑えに抜擢され、結果を残しているのですからカープはいい投手を1位指名しましたね。栗林くんのことは名城大時代から見てきましたが、トヨタ自動車で一皮むけたと感じました。投球フォームは少しアウトステップするのが特徴です。とはいえ、体の力が逃げるわけではなく強いボールが投げられているので問題ありません。

 チームの先輩である森下暢仁くんのように高い位置から右腕が出てきて、縦の変化球をしっかりと使えるのもポイントです。社会人でのエース経験もあるからか、マウンド度胸も光ります。抑えの適性を見抜いた佐々岡真司監督はさすがですね。今は怖いもの知らずで投げていますが、打たれて怖さを知った時にどんな投球ができるか。そこで真価が問われるはずです。

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