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「パ・リーグだから」の理由で客は来ず。そこから始まった集客大作戦 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――パ・リーグ人気を高めたきっかけとして、横山さんも関わりが深い「応援」も大きな要素だったと思います。応援のパワーがチームに与える影響についてどう考えていますか?

「昨シーズンは以前のような応援ができなくて、その力が強いと思われていたロッテについて『めちゃくちゃ弱くなるんじゃない?』と言っていた人も開幕前にはいましたね。結果はそうじゃなくて(ロッテは13年ぶりのリーグ2位)、(応援に)効果がないと言ってしまうと身も蓋もありませんが......。選手の立場からすると、『あの声援を受けて打ってみたい、投げてみたい』と思うことは、力になるはずです。

 応援は、チームを強くしていくためのひとつのパーツじゃないかと。選手はもちろん、応援が気持ちよければ、初めて球場に来た人も心を掴まれる。さまざまな努力と相まってお客さんの数が増えたことが、チームを強くすることに役立っているのかもしれません」

――パ・リーグは昔から応援も独特な印象があります。シーズン最後の試合で互いのチームの応援歌を歌う「エール交換」もそのひとつですね。

「競い合うチームとのエール交換については、賛否両輪があることも知っています。ただ、それを楽しみにしているファンも多いんじゃないでしょうか。その究極の形が、パ・リーグの6球団を、東軍と西軍に分けて試合をしていた『パ・リーグオールスター東西対抗』(1981年~2006年)。その時はライバル球団の選手の応援歌を演奏して歌ったり、試合後は球場外に皆で集まって二次会で盛り上がったりしていました。パ・リーグの場合は、試合が終われば"ノーサイド"というか、ファンの一体感はあると思います」

――応援の盛り上がりが、パ・リーグの人気の高まりにつながった実感はありますか?

「大きな要因のひとつだと思います。球団も、ファンのみなさんをとても大切にしてくれます。今の若いファンや球団職員の人たちに昔の話をすると『大変だったんですね』と驚かれるし、マリンスタジアムはガラガラだったと言っても『本当ですか!?』といった受け取り方をされますよ。

 つい最近まではそんな感じだったんですけどね。ロッテも2010年に日本一になったのに、翌年の開幕戦も満員にならない。スタッフたちも、『開幕戦ぐらい死ぬ気で満員にしようぜ』『でも、どうやって埋めるんだよ』って言っていた。それが現在、チケットを買えないという状況になったことは、球団職員だった自分にとってもすごく嬉しいです」

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