「パ・リーグだから」の理由で客は来ず。そこから始まった集客大作戦 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――ロッテもそうですが、昔のパ・リーグはドラフトで指名した選手から入団交渉を拒否されるなど不遇の時代がありました。それが近年では甲子園で活躍した選手が続々と入団し、2019年のドラフトでは4球団競合の末に佐々木朗希投手がチームに加わりました。

「今では考えられないことですね。当時のドラフト候補選手の間では、『在京セ・リーグ球団がいい』というのが合い言葉のようになっていましたから」

――しかしパ・リーグの人気上昇と共にその傾向もなくなり、1990年代後半からは斉藤和巳、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大など、日本を代表する好投手がパ・リーグで活躍するようになりました。

「そういう投手がリーグで活躍するようになり、打者が感化された面もあると思います。特に西武は、中村(剛也)選手が中心選手になった頃から、重量打線のイメージが強くなりました。西武については、根本(陸夫)さんたちのチーム作りが土台にあり、V9時代の巨人の時のメンバーだった廣岡(達朗)さんや森(祇晶)さんが指揮官として黄金時代を作った流れがありますけどね。

 黄金時代の西武は、V9の巨人をさらに進化させたようなチームでした。その西武で活躍した秋山(幸二)さんや工藤(公康)さんが、選手や指揮官としてダイエーやソフトバンクを強くした。そういった、チームが強くなる"流れ"もあると思います。今度は力をつけたパ・リーグの野球を取り入れることにより、セ・リーグがつよくなっていく流れもできていくんじゃないでしょうか」

(後編につづく)

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