三浦大輔が柳田悠岐に直球でリベンジ。
前打席特大弾後の駆け引きがすごい
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日本プロ野球名シーン
「忘れられないあの投球」
第6回 横浜DeNA・三浦大輔
ソフトバンクとの交流戦(2015年)
両翼94m、中堅118m、フェンスの高さ5m。
プロ野球界にあってフィールドが最も狭い部類に入る横浜スタジアム。この球場で投げることの難しさを最も知っているのが、現在、横浜DeNAベイスターズの二軍監督を務める三浦大輔だろう。
現役生活25年、チームのエースとして浜風が強い日も雨の日もマウンドに立ち続け、2016年シーズンを最後に引退した。
忘れられない名場面が星の数ほどある三浦だが、強靭なメンタルと老獪な投球術をいかんなく発揮したのが、2015年6月3日のソフトバンク戦である。
25年の現役生活で通算172勝をマークした三浦大輔 この試合、語り草となっているのが柳田悠岐の超特大ホームランだ。6回表、三浦の高めに浮いたスライダーを柳田は完璧に捉え、推定飛距離145mのソロ本塁打を放ち、バックスクリーンのLEDビジョンの一部を破壊し大きな話題となった。
しかし"忘れられない1球"は、このホームランにあらず。三浦が真骨頂を見せたのは、7回表に巡ってきた柳田の次の打席である。同じ轍は二度と踏まない──三浦は、あの日のことを振り返る。
「気持ちだけは絶対に負けないって思っていましたよね。あの強力打線を目の前に、しかも強いフォローの風が吹いていた。ソロホームランを怖がっていたら、自分のピッチングができない。それがハマスタでの戦い方。ただ、ランナーをためてドカンというのだけは避けないといけない」
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