2020.04.07

ホークスの160キロ左腕がブレイクか。
工藤監督の金言で制球難を克服

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

 人生はトントン拍子で事が運ぶほど甘くはない。厳しいプロ野球の世界ではなおさらだ。

 ホークスに入団して今季4年目、21歳の古谷優人(ふるや・ゆうと)。ドラフト2位でプロ入りし、有望株と大いに期待された左腕だが、一軍実績はまだゼロ。

昨年、日本人左腕として史上初の160キロを記録したソフトバンク・古谷優人 故郷は北海道中東部に位置する幕別町。地元の江陵(こうりょう)高校では甲子園出場は果たせなかったが、3年夏の道大会では最速154キロや1試合20奪三振をマークして同校を初のベスト4に導いた。

 プロ入り後は、1年目のオフに「胸郭出口症候群」による血行障害に悩まされながらも、2年目には二軍公式戦で29試合に登板して5勝2敗、防御率3.81の成績を残して、この年の8月には登板機会こそなかったが一時期出場選手登録もされた。

 そして昨年5月5日、三軍の一員として遠征参加した香川オリーブガイナーズとの定期交流戦で日本人左腕投手として前人未到の160キロのスピードボールを投げ込んでみせたのだ。

 にもかかわらず、古谷は過去3年間で一度も一軍のマウンドに立つことができていない。

 理由は、剛腕投手にありがちな制球難だった。先述した2年目の二軍戦は59投球回に対して48四死球。3年目の昨季は二軍戦で35回2/3を投げて33四死球、三軍戦では84回2/3で61四死球。数字を見れば明白だし、とくに右打者の外角高めに外れる”抜け球”が目立った。