福良GMが語るオリックス低迷の原因と受け継ぎたい「古き良き伝統」
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オリックス、福良GMインタビュー(後編)
1996年の日本一以来、優勝から遠ざかっているオリックス。そればかりか、ここ10年間でAクラスはわずか一度(2014年に2位)と低迷を続けている。チームが勢いに乗れない理由は何なのか。今のオリックスに足りないものとは。かつて選手としてオリックスの黄金期を知る福良淳一GMに聞いた。
これからはリーダーとしての役割も期待される山本由伸―― オリックスは1996年を最後に優勝から遠ざかっています。バファローズとしては2001年に近鉄がリーグ優勝を成し遂げていますが、現在、12球団でもっとも長く優勝していない球団はオリックス、ということになっています。福良さんは強かった時代の阪急、オリックスでプレーしてきましたが、そうした阪急ブレーブス、オリックスブルーウェーブの伝統や色が、今のこのチームにはどんなふうに受け継がれているとお考えでしょうか。
「それがね、薄くなっているような気がしてならんのですよ。自分が阪急に入った時には、上に山田(久志)さんや福本(豊)さんがいて、ロッカーではいろんな話を聞かされました。やがて山田さんも福本さんも引退して下の選手が増えてきたら、今度は自分らの世代がイチローやら田口(壮)あたりに伝えてきたという流れがあったんです。それが、いつからかプツッとなくなってしまったように思うんです。
選手って、首脳陣にああだこうだ言われるよりも、選手同士で話をしたほうが響くところがあるんです。年上の選手が年下の選手にこういう野球が大切だとか、こういうことを考えて野球をするんだということを教育されて成長していく......それがチームの伝統やと思います。コーチが言うのと選手が言うのとでは、まったく効果が違うんです。ロッカーで『あのプレーはアカン』と先輩がちゃんと指摘して教育していかないと、チームの色や伝統を受け継ぐことはできません」
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