福良GMが目指す育成のオリックス
「急場凌ぎの補強はしない」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

オリックス、福良GMインタビュー(中編)

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 昨年のドラフトで、1位、2位とも高校生を指名し、育成でも8人の選手を獲得するなど、これまでにない動きを見せたオリックス。はたして、どのような道を歩もうとしているのか。その仕掛け人でもある福良淳一GMに理由を聞いた。

2年目を迎えた昨年のドラフト1位・太田椋2年目を迎えた昨年のドラフト1位・太田椋―― 福良さんはGMとして今のバファローズをどういう方向へ導こうと考えているのでしょう。

「まずは育成に切り替えていこうということが第一です。その方向性はスカウトの人たちとも共有しています。つまり、ドラフトではもう急場凌ぎの補強はやめようということですね。ピッチャーに関してはこれまでどおり、社会人出身の選手も獲りますけど、野手に関しては高校生を中心に、大学生までという方針でいこうと考えています。

 以前は間に合わせのような感じで、すぐに使えそうな社会人の外野手を指名して、結果、似たようなタイプの選手ばかりを獲ってきました。今はファームも舞洲(まいしま)に移って環境もよくなりましたし、これからは高校生や若い選手を多く獲って、育成に力を入れていこうというふうに考えています」

―― 昨秋のドラフト、育成選手を8人も指名したのには驚かされました。

「そうですね。一芸に秀でた選手を育成で獲って育てようということです。去年の9月末には初めての試み(近鉄との合併後のオリックスとしては初)として入団テストを実施しまして、90人のなかから合格した選手を去年のドラフト育成枠で4人、指名しました」

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