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平石洋介の葛藤。愛する楽天と東北を
去ることになっても貫いた信念 (7ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Koike Yoshihiro

 腹をくくり、他者の評価を受け入れ、現状にしがみつくことなく歩む。退団の経緯、色濃く打ち出された数々の想いに触れれば、この囲み取材での「それがすべて」に、平石洋介という野球人の信念が集約されているようだった。

「そうなんですかねぇ......」

 平石は、少し照れ臭そうに視線を下に落とす。わずかな間をつくり、あの会見での心情を呼び覚ました。

「あんまりかっこ悪く辞めたくなかったし。そうですねぇ......いちばんはね、みなさんに僕の気持ちを直接伝えられてよかったというか。ああいう場を設けてもらえないんじゃないかと思っていたんで。マスコミのみなさんを集めてくれた広報の方にも感謝ですね」

 取材対応を終えた平石は、「前に進まないといけないな」と気合いを入れ直し、15年間、慣れ親しんだ仙台の球場をあとにした。

後編につづく

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