2020.02.03

平石洋介の葛藤。愛する楽天と東北を
去ることになっても貫いた信念

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Koike Yoshihiro

平石洋介インタビュー(前編)

 今年からソフトバンクの一軍打撃兼野手総合コーチに就任した平石洋介は、楽天が誕生した2005年から選手として7年、指導者として8年と、計15年もの間、東北に野球人生を捧げてきた。

 とりわけ昨年は、"12球団最年少"となる39歳の若さで楽天の監督となり脚光を浴びた。2018年に最下位だったチームは、シーズン開幕前の評論家たち順位予想で軒並み「Bクラス」。しかし、平石楽天はその低評価を覆し3位となり、クライマックスシリーズ(CS)進出を果たした。

今季からソフトバンクの一軍打撃兼野手総合コーチに就任した平石洋介 その指揮官が、わずか1年で退任となった。

 愛着ある楽天を去る決断を下したことについて、平石に後悔はない。

「監督のお話をいただいた時に、僕としては相当な覚悟で引き受けさせていただいたんですけどね。でも、結果的にこうなったことに関しては、心の整理はついていますよ」

 この言葉に虚勢も達観もない。

 開幕を間近に控えた昨年3月のことだった。監督としてのモチベーションやチーム状況などを聞いていると、平石はそれまで以上に声のトーンを上げ、まるで念を押すように自らの意志を伝えた。

「きれいごとでもなんでもなくて、僕の評価なんてどうだっていいんです。選手の起用とかゲームでの作戦にしても、良くも悪くも何かしら批評されるわけですしね。『監督としての評価を上げたい』なんて、まったく思ったことがないんです。それよりも勝ちたい。このチームを強くしたい! それだけなんです」