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大器が次々と本格化。佐々木朗希を
ホークス「夢牧場」で見たい (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 仮に順調にこの夏を過ごしていれば、少なくとも半数以上の球団が「佐々木を1位指名」していたかもしれない。それがたとえば、3球団になれば御の字だろう。なんとかホークスの"夢牧場"で、佐々木が育てられる姿を見てみたい。

 もし佐々木をクジで外した場合は一転、石川昂弥(たかや/東邦)に方向転換。一本釣りされている可能性もあるが、残っていれば競合必至でも指名すべきだ。

 36歳の松田宣浩は今年30本塁打(9月22日現在)をマークするなど、いまだ衰えは見えないものの、37歳の内川聖一の後釜探しは急務だ。ミートセンス、ツボにくれば一発もある長打力......石川は、内川の後継者にぴったりの選手だろう。

 そして、今回のドラフトでソフトバンクが補強しておきたいのが、捕手だ。甲斐拓也が球界を代表する捕手に成長し、38歳のベテラン・高谷裕亮の頑張りで見過ごされがちだが、次世代の捕手を育成するなら今だ。

"打てる捕手"に目がいきがちだが、やはりディフェンスを最優先したいポジションである。

 それなら、今年は"地元"にすばらしい逸材がいる。進藤勇也(筑陽学園)のディフェンスは、好捕手が揃う今年の高校球界のなかでも、頭ひとつ半ほど抜けていると見る。

 ヒジでミットをコントロールするキャッチングは、球審が思わず手を上げたくなるほど高い技術を持っている。さらに、ランナーがスライディングしてくるところにドンピシャで投げられる高精度のスローイングに、屈強で均整の取れた体躯。どれも魅力が詰まっている。

 ここ10年間の成績を見ても、ソフトバンクがBクラスになったのはたった一度。大型補強だけに頼っていないからこそ、これだけの成績を残せているのだと思う。

 現状を見ても、投打とも大きな欠点は見当たらないが、それでも中心選手の高齢化は進んでおり、徐々に世代交代の時期にさしかかっている。だからこそ、ソフトバンクらしく、今は粗削りでも、スケールのある選手を育ててほしいと思う。今や"スケール感"は、間違いなくソフトバンクの大きな武器である。

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