今宮健太や村上宗隆らが証言。フェイスガードの有無で気持ちに差が出る
プロ野球で当たり前の光景となりつつある、打者のヘルメットに取り付けられたフェイスガード。数年前から、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)といったMLBの強打者たちが使用を始めたことで一気に広まった。昨年からトラウトのチームメイトになった大谷翔平も、フェイスガード付きのヘルメットをかぶって打席に立っている。
フェイスガードと聞くと、かつて近鉄やヤクルトでプレーしたチャーリー・マニエルを思い浮かべる往年のプロ野球ファンもいるだろう。近鉄時代の1979年に顔面に死球を受けたマニエルは、手術を経て復帰した際、アメリカンフットボールのフェイスガードを付けた特注ヘルメットをかぶってプレーした。
それから40年。現在のフェイスガードは、手のひらサイズのコンパクトなものに変化した。メーカーによって仕様は多少異なるが、内側に衝撃吸収のためのパッドが付いており、それをヘルメットの耳当て部分にビスで固定するので、プレー中にズレる心配もない。
安全面はもちろん、ちょっとした興味本位から、プロ野球でも昨季の後半からフェイスガードを着用する選手が増えていった。オリックスの吉田正尚も、いち早く取り入れた選手のひとりだ。
「メジャーの試合でフェイスガードを付けている選手が多かったので、自分も試してみようとメーカーに発注しました。それが昨年の8月に届き、西武戦(8月9日)で"ぶっつけ本番"で使ってみたんです。そうしたら、その試合で満塁ホームランが打てたので、ゲンがいいこともあって使用を継続しています」
いち早くフェイスガードを着用したオリックスの吉田 photo by Kyodo News 頬をカバーするフェイスガードは、視野が狭まることを懸念する声も多い。しかし吉田は「ボールの見え方にまったく影響はないですね」と話す。
「僕個人としては、バッティング以外でも、例えば走塁での走りにくさや送球などの見づらさなども感じません。もちろんスイングにも支障はないです。今年は、相手投手から内角を攻められることが多くなったんですけど、そういったボールへの恐怖心が軽減できたので、以前と変わらずに踏み込むことができていると思います」
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