菅野智之が語る背番号18の重み「実績は関係ない。必要なのは実力」 (3ページ目)
「18番をつけるには絶対的な実力が必要なんです。むしろ、実績は必要ない。必要なのは実力だと思います。僕はルーキーの時から、プロがどんなものかはわからなかったなかで、ある程度、やれる自信はありましたし、そこそこの実力もあると思っていました。だからきっと、6年前の自分も18番を選べたんじゃないかなと思うんです」
実績はそれ以上でも以下でもない。しかし、実力は無限大だ。堀内は菅野に会った時、「お前がつけてくれて嬉しいよ」と声をかけたのだという。菅野はこう続けた。
「エースの定義って難しいですよね。人それぞれに定義はありますし、客観的に見ている人のエース像と実際にやっている人のエース像って違うと思うんです。そうやって考えた時、僕はエースというのは、見ている人の思いもやっている人の思いも、すべて背負って、その日その日に求められること、すべてに応える存在だと思います。連敗しているならそれを止めてほしい、チームにイヤな空気が漂っているなら流れを変えてほしい、そういうすべての願いを受け入れて背負えるのがエースなんです。それを背負えない人には資格はないと思います。もちろん、僕だって背負いたくないですよ......矛盾していますけど、背負わなくて済むものなら背負いたくない。でも、背負わなかったら結果も残らないと思うんです。背負っているからこそ、常に張り詰めた状態でいられますし、気も抜けない。だから僕は、すべての思いを背負っていたいと思っています」
今年、ドラゴンズの松坂大輔が背番号を99から18に戻した。ファイターズの吉田輝星も背番号18を与えられた。たしかに、今や18番は日本のエースナンバーなのかもしれない。それでも、やっぱりジャイアンツの18番にはほかとは違う特別な重みがあるのだという。桑田真澄がこう言っていた。
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