菅野智之が語る背番号18の重み「実績は関係ない。必要なのは実力」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 桑田はジャイアンツで173勝を挙げ、エースナンバーに相応しい実績を積み重ねた。そして桑田がジャイアンツのユニフォームを脱いでから、背番号18は5年の空白を経て、杉内俊哉が背負うことになる。その杉内が引退した今年、ジャイアンツのエースナンバーはついに菅野智之に受け継がれることになった。菅野はこう言っていた。

18番はジャイアンツというより、日本のエースナンバーだと思っていました。僕にとってジャイアンツのエースナンバーは、小さい頃にエースだった上原(浩治)さんの19番だというイメージがありましたからね。僕も19番への憧れは強かったし、入団したときに空いていた17番と19番、どちらか好きなほうを選んでいいよ、と言われて迷わず19番を選んだほどでした。ですから19番への思い入れは、相当強いんですよ」

 入団から6年、菅野は19番を背負って5度の2ケタ勝利を含む、通算76勝をマーク。2度の沢村賞を獲得し、去年はCS(クライマックス・シリーズ)史上初のノーヒット・ノーランも達成した。彼は押しも押されもせぬエースとしてジャイアンツに君臨してきた。だからこそ、今シーズンから復帰した原辰徳監督が「トモユキには18番をしっかり背負った状態で戦ってほしい」と、甥っ子にエースナンバーを託すことを決めたのである。菅野もその重みを重々、感じていた。

「今、思うと、もし入団するときに18番も空いていたら、きっと19番じゃなくて18番を選んでいたんじゃないかと思います......19番をエースだとか言ってたくせに、すみません(笑)。いや、やっぱり特別なんですよね。プロになりたての頃はそんなふうに考えることはなかったんですけど、あらためて今、ジャイアンツの18番ということを考えてみると、その重さはやっぱり特別なんだなと思いますし、自分にもジャイアンツの18番に対する想いはあったんだなと......」

 19番は菅野のなかでは、たしかにジャイアンツのエースナンバーだった。実際、19番を背負った菅野はエースになった。しかし、19番は上原や菅野のような実績のあるピッチャーが背負えばエースナンバーになるが、18番は誰がつけてもエースナンバーだ。つまり、背番号19は上原や菅野を超えることはないが、背番号18は菅野をどこまでも大きく育てる可能性がある。菅野も同じことを感じていた。

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