2019.02.20

大瀬良大地が挑む打倒・菅野智之
「200イニングをクリアすれば…」

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「とにかく今年は大瀬良大地がすごいですよ。気合いが入っています。大いに期待してください」

 そう語るのはベテラン捕手・石原慶幸である。昨シーズンは最多勝、最高勝率の二冠を達成し、リーグ3連覇の立役者となった。そんなチームの絶対的エースとなった大瀬良が、自身初の開幕投手に向けてさらに進化を遂げているというのだ。

自身初の開幕投手に向けて調整を続ける大瀬良大地 大瀬良はキャンプ2日目にブルペン入りし、真っすぐのみ50球を投げた。「7割程度の力」とバランスを重視し、立ち投げのみの初ブルペンだったが、たしかにミットを叩く音は、投手陣のなかでも際立っていた。

 畝龍実(うね・たつみ)投手コーチも「キレ、強さとも近年のキャンプ序盤と比較しても非常にすばらしい」と絶賛し、大瀬良の充実ぶりには目を見張るものがあるという。

 その要因のひとつとして挙げられるのが下半身の充実にある。畝投手コーチは「着地した瞬間の左足の締め方がいいから体が開かない」と説明する。この安定した下半身の強さが開きを防ぎ、その後のスムーズな体重移動へとつながり、ボールにたしかな力を伝える。そのための「左足の締め」が、例年以上に強いと言うのだ。

 大瀬良自身「下半身に多少の張りが残っている」と語っていたが、畝コーチは「昨年あれだけ投げてくれたので仕方ない。ただ、それだけ上体だけに頼らず、しっかり下半身を使えている証」とメカニズム上の問題ではないと強調。時間の経過とともに万全の状態になると、まったく心配していない。

 大瀬良の指名を受けてキャッチボールパートナーを務めているルーキーの島内颯太郎は言う。

「キャッチボールの段階から、今まで見たことがないような回転のいい球を投げてくる。これが一流と言われる人のキャッチボールかと……」

 昨年のドラフトで2位指名を受けた島内は、大瀬良と同じ九州共立大の出身。最速152キロを誇り大学日本代表候補にも名を連ねた実績を持つ右腕だ。大瀬良の卒業翌年に入学したために接点なかったが、大学時代はことあるごとに九州共立大の上原忠監督から大瀬良の名前を持ち出されハッパをかけられてきた。