「バカになれる男」楽天・岡島豪郎は、
選手会長、第3の捕手と大忙し (2ページ目)
「自分のなかでは、毎年、視野が広がっている感じはすごくしますね。後輩ひとりに対しても『コイツは今、こういう想いでプレーしているんだろうな』とか、気持ちを見ながら接し方を考えたり。そういうところは、自分が成長した部分かなと思いますね」
岡島のチームを想う気持ちは十分だ。あとは、他を納得させるだけの結果を残すのみ。プレーヤーとしての岡島は、飢えや乾きを満たすべく猪突猛進してきた。
入団2年目の2013年、首位を走る楽天が優勝を誓うべく催した決起集会で、捕手だった岡島は星野仙一監督(当時)に、自分の想いをストレートにぶつけた。
「自分を外野で使ってください!」
これが大きな転機となった。「わかった。じゃあ、準備しとけ」とだけ言った星野監督に、その2日後の試合で「1番・ライト」で起用されたのだ。そこからポジションをつかみ取り、チームの優勝、日本一を支えるまでの存在となった。
翌年からは主力として名を連ねるようになったものの、決して満足のいく結果を残してきたわけではない。2014年以降、規定打席に到達したシーズンは2度だけであり、近年は故障離脱が目立っている。
そんな岡島を支えているのが、「やらなきゃやられる」という危機感である。
「ありますよぉ、危機感。オコエ(瑠偉)、田中(和基)とか、僕よりもはるかに能力が高い若手がいますからね。危機感しかないです。でも、そこで焦って、自分にできる以上のことをやってしまうのもダメだと思うし。うまくいったり、いかなかったり。そういうのも野球の面白さのひとつだと思って、頑張るしかないっすね」
「しっくりこなかった」と、昨季まで立てていたバットをキャンプから寝かせて構えるようになり、それを馴染ませようとバットを振り込んだ。そうかと思えば、実戦形式の練習ではバットを立てたりと、試行錯誤を繰り返しながら理想を追い求めている。
岡島にとってそれは、自分を築き上げる上で必要な作業なのだ。
「合わなければ戻せばいいんで......。あんまり『これだ!』と決めつけてもよくないと思うんです。じっくりとやりながら、形を作っていければいいなって思います」
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