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名コーチが気づいた清宮幸太郎の欠点。
修正のためにも早いプロ入りを

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 内ヶ崎誠之助●写真 photo by Uchigasaki Seinosuke

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第7回

《歴代最高となる高校通算110本塁打(9月6日現在)を記録するなど、日本球界の注目の的となっている清宮幸太郎(早稲田実業)。プロか、それとも進学か......卒業後の進路にも関心が集まっているが、もしプロを志望すれば、この秋のドラフトの目玉になることは間違いない。そんな逸材は、これまで数多くのスラッガーを育ててきた名コーチ・伊勢孝夫氏の目にはどう映っているのだろうか?》

(第6回はこちら)

現在、日本代表の主将としてU-18のW杯を戦っている清宮幸太郎 現在、日本代表の主将としてU-18のW杯を戦っている清宮幸太郎  私の場合、基本的にプロ野球を見る機会が圧倒的に多いため、正直、清宮くんの打席を見ることは多くない。夏の甲子園にも出場できなかったから、直近では西東京大会と、現在カナダで行なわれているU-18のワールドカップ(W杯)ぐらいだ。それで評するのもなんなのだが、しかし見れば、なるほど、世間が注目するのも頷ける逸材であることは間違いない。

 ボールを遠くに飛ばす――これはよく言われるように、持って生まれたものが大きい。コーチがいくら手取り足取り教えても限界がある。その点、いまさら私が言うのも恐縮だが、彼のあのパワーは本物だ。これまで私も数え切れないほどのスラッガーを見てきたし、指導してきたが、そのなかに加えても、あのパワーはトップクラスと言えるだろう。

 清宮くんが遠くに飛ばせる理由はスイングスピードにある。構えたところから最短でバットを出し、さらにスイングスピードが速い分、より軸回転に力強さが加わるのだ。そして、それを支えるあの恵まれた体躯。飛ばないわけがない(笑)。

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