名コーチが気づいた清宮幸太郎の欠点。修正のためにも早いプロ入りを (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 内ヶ崎誠之助●写真 photo by Uchigasaki Seinosuke

 素晴らしいバッティングをする一方で、欠点もある。気になるのは、バットの出方だ。構えたときに、癖なのだろうか、ぐりぐりとバットを回してタイミングを取る。そこから振り下ろすときに、ややバットが寝てしまうのだ。少なくとも、西東京大会ではそうだった。

 高校1年の頃のイメージでは、もう少しバットが立っていた気がするし、カナダのW杯のメキシコ戦、アメリカ戦でも西東京大会のときほど寝ていなかった。ということは、意識して変えているのか、それとも固まっていないのか、そのいずれかだろう。いずれにしても、バットが寝た状態でボールを捉えにいくのは感心しない。一見すると、直線的でミートがしやすいように思えるが、そのスイングでは低めの変化球に対応できない。

 一般的に、バットが寝たかたちで出てくる打者は真ん中から高めが得意なのに対し、バットが立った状態で出る打者は低めの対応がうまい。その分、バットを立てた打者は高めを苦手にしていることが多い。わずかな違いなのだが、寝たかたちよりバットの出が遅れるのだ。

 これは私の想像に過ぎないが、もともと清宮くんも高めを苦手とし、その対策としてバットを寝かせて出すようになったのではないだろうか? 高校生のレベルだとそれでいいかもしれないが、プロでは通用しない。プロに入ってまず手をつけるべきは、バットの出し方だろう。元に戻すというか、バットを立てたスイングに直すこと。今のままでは低めの変化球に相当苦労することが予想される。

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