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阪神OB藪恵壹が考える、藤浪晋太郎
「完全復活」へのメンタル管理術 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

 大切なのは、いいボールを投げたときのフォームでいつでも投げられるようにすること。右バッターでも左バッターでも関係ありません。もし「また当ててしまうんじゃないか」と思うとしたら、それはバッターを見てしまうから。キャッチャーミットだけを見ればいい。タイガース時代に私は、監督の野村克也さんに「的当てでいいんだよ」とよく言われました。「キャッチャーミットだけを見て投げろ。その間にバッターがいるだけだから」と。でも、どうしても意識しちゃうんでしょうね。

――藤浪投手にとって、プロ野球選手になって初めてぶつかる壁かもしれません。

 選手登録では197センチ、89キロとありますが、身長も伸び、体重も増えています。体の変化がピッチングに何らかの影響を及ぼしているのかもしれません。

 いまの状況は、コントロールをよくすることについて考える時間ができたと受け止めればいい。今後の投球術について考えるのには、いい時間だと思います。不調になったときは、まわりからいろいろなことをアドバイスされます。自分が聞きたいと思ったことは聞けばいいし、変えようと思ったところは変えればいい。納得できるかどうか、その見極めが大事です。藤浪がプロ1年目から結果を残すことができたのは、自分が正しいと思うことをやってきたから。そこはブレずにやってほしい。

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