阪神OB藪恵壹が考える、藤浪晋太郎
「完全復活」へのメンタル管理術 (2ページ目)
――大阪桐蔭高校を卒業してプロ1年に10勝(6敗)、2年目は11勝(8敗)、3年目には14勝(7敗)をマークしました。4年目の2016年こそ7勝(11敗)に終わりましたが、4年間の成績は田中将大投手(46勝)に匹敵するほどです。
藪 藤浪の過去の成績を見ると、年間の登板数の約半分は勝っています。もし15勝以上したいならば、33試合には登板しないと難しい。そうすれば、16勝、17勝が見えてくる。そうするためには、1試合の球数を減らして、中5日で投げられるようにしないといけない。フォアボールを少なくするのが彼の課題です。彼は勝ち運を持っているピッチャーなので、1年間通して投げられさえすれば、勝ち星は計算できるはずなんですが......。いまは、ボールの感覚を失っていて、それを探しているのではないでしょうか。
――WBCの影響もあるのでしょうか。
藪 昨シーズンのオフからずっと、WBC用のボールを使って練習していました。NPBのボールに戻っても、すぐに感覚が戻らないのは仕方ない。シーズン初めはかなり、軽く感じたのではないでしょうか。
――そのうちに感覚を取り戻せるのでしょうか。
藪 ピッチングフォームを修正したほうがいいという声もありますが、私は何も変えなくていいと思っています。もし右バッターが気になるようならば、プレートの一塁側を踏んで投げればいい。それだけで、ずいぶん景色が変わってくると思います。立ち位置を少しだけずらすことで意識が変わるのではないでしょうか。私も右バッターに近いサイドに立ちすぎて、ぶつけてしまうことがありました。
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