「ムネリ~ン」の声が飛ぶ雁ノ巣で、川﨑宗則が明かす一軍昇格への思い (4ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 かつて汗と泥にまみれた雁ノ巣で11年ぶりにプレーした川﨑は、試合後、しみじみとこう漏らしていた。

「いやもう、あの頃はホント修業でしたね。ここでバットを振り、ゴロを追いかけていたことを思い出しました。苦い思い出ばかりで、楽しいことなんてなかったような気がするけど、時間が経ってみると、懐かしい感じがします。今こうやって見ると、風景が違うのですが、自分のメンタルが変わったんでしょうね」

 この日、一軍は前日に続き、首位の楽天に連敗するなど、"らしくない"戦いが続いている。特に22日の一戦は、序盤から失点を重ね、試合中盤に大勢のファンが愛想を尽かして球場を後にするという大敗だった。実はこの試合に、川﨑は若手たちを連れて観戦に行っていた。

「ホント大敗。でも楽しかったよ。最後は風船飛ばして、ハッピーホルモン全開(笑)。だって、若い選手の(ヤフオク)ドームでプレーしたいっていう気持ちが十分すぎるほど伝わってきたし。彼らの考えもわかったからね。もうお父さんみたいな感じ」

 当初、帯同する予定だった次の二軍遠征は白紙になったらしい。故障者続出でなかなかエンジンがかからない一軍のカンフル剤として、川﨑がその大役を果たす可能性は大いにある。

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