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三浦大輔の引退試合でプロ初打席初本塁打、
廣岡大志の「強運」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 プロ初打席の相手がファームで対戦したことのある投手という幸運。廣岡の強運を物語るには、なによりこのエピソードからでもわかる。

 三浦の引退試合はベイスターズのホーム最終戦と決まっており、当初は9月24日に行なわれる予定だった。しかし雨天中止により、29日に振り替えられることになったため、廣岡の一軍昇格と重なり、対戦が実現したのだった。そして初打席初本塁打。

 廣岡は「素直に嬉しかったです」と試合後に振り返った。

「初球のカーブを空振りしたときに『振れているな。大丈夫だ』と感じました。ホームランを打った球はフォークでしたが、球種というよりも『低めは捨てて、ゾーンを上げていけ』と言われていましたので、それだけを心掛け、あの高さに反応した感じです。芯ではありませんでしたが、思い切り振り切ったので入るかなと。これで満足せずに、しっかりと自分の野球をしていきたいです」

 試合後はヤクルトの選手たちもベンチ前に整列して、三浦の引退セレモニーに参加。廣岡の隣には、「目標にしています」という山田哲人が立っていた。そして三浦は別れのあいさつでこんなことを言った。

「1992年に横浜大洋ホエールズ最後の試合で、プロ初登板をしました。そのとき、遠藤一彦さんの引退試合があり──」

 三浦のプロ初登板は大先輩の引退試合であり、その当時と状況は大きく異なるが、三浦の引退試合にもひとりの選手がデビューを飾った。

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