投打の日本記録達成へ。三浦大輔が語る「今季初登板に懸ける思い」 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今や、そのローテーションの5、6番手に入るのも厳しい状態だが、夏場を迎え、ここにきて疲れの見える選手たちのバックアップとして登板機会を得 ることになった。三浦としては出番が遅れたことはチームの未来を考えれば望んでいた状況ではあるが、現役として投げたい気持ちがある以上、心中複雑なこと だろう。

 兼任コーチとして3年目となる今シーズン、三浦はファームでの登板以外は一軍に帯同し、先発陣の練習を見てはアドバイスを送り、自分も一緒に体を動かしている。

 若手選手が多い投手陣にあって精神的支柱としての三浦の存在感は大きい。ルーキーの今永も三浦から影響を受けたひとりだ。

「三 浦さんからは常にアドバイスを頂いています。僕としては、まず三浦さんがやっていることをどれだけ盗めるかということがいちばん大事だと思っています。今 は三浦さんの背中を見ながら勉強している感じですね。技術はもちろん、三浦さんがここまで投げられているのは技術以外の面も大きいと思うので、そこを何と か自分のモノにしたいですね」

 今シーズン、ファームの成績は11試合投げて防御率5.68。一見すると不安の残る数字だが、三浦にとってファームの試合はあまり参考にならないということだ。

「ファー ムの試合というのは、あくまでも一軍の試合で勝つための準備として、いろいろ試すことが多いので、結果はあまり気にしていないんですよ。自分で言うのもな んですけどファームで抑えている記憶があまりない(笑)。ただ一軍で結果を出せなければ、すぐファームに戻される。そこはしっかり覚悟してやっています」

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