投打の日本記録達成へ。三浦大輔が語る「今季初登板に懸ける思い」 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 出番は刻一刻と近づいてきている。もはや三浦ぐらい現役生活が長くなってくると、そのひとつひとつのプレーがあらゆるプロ野球記録につながってくる。

 まず、勝利を挙げることができれば24年連続勝利となり、これは山本昌や工藤公康(現ソフトバンク監督)とタイ記録だった23年連続勝利を超え、日本プロ野球新記録となる。

  そしてもうひとつ、打席に入り安打を放つことができれば24年連続安打となり、張本勲、衣笠祥雄、門田博光らを抜き歴代3位タイとなる。ちなみにメジャー の投手ではグレッグ・マダックスの23年連続安打が最高なので、三浦が24年連続を達成すれば世界で唯一無二の存在となる。この記録については「ファンが 喜ぶので、そこはこだわって打ちたいと思います」と、三浦は表情をゆるめる。

 昨年、DeNAは交流戦から後半にかけて崩れ、リーグ首位から最下位に転落した。三浦自身も昨年の7~8月は1勝4敗と結果を出すことができず、悔しい思いをした。それだけに今シーズンに懸ける思いは強い。

 三浦は言う。

「僕の夢は、もう一度横浜で優勝すること。それしかない。とにかく投げて勝ってチームに貢献したい」

  昨シーズン、元ベイスターズだった谷繁元信(現・中日監督)と斎藤隆が引退したことで、1998年のベイスターズ日本一を現役で知っているのは三浦だけに なった。リーグ優勝への勝ち方を知っている、貴重な生え抜き。三浦は「強いチームというのは、秋に向かって育っていくチーム。そこを踏まえて戦わなくては いけない」と語る。

 後半戦の攻勢に向けて大事なオールスター前の試合。一軍のマウンドに現れた三浦の存在は、ファンを喜ばせるばかりではなく、チームに上昇ムードを与えるキーマンになるはずだ。

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