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まさかのDeNA防御率トップを支える、ルーキー戸柱恭孝の安定感 (4ページ目)

  • 山口愛愛●文 text by Yamaguchi Aiai
  • photo by ©YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 昨年はプロ野球タイ記録となる68の暴投と、パスボール11を合わせ78のバッテリーエラーに苦しんだDeNA。パスボールが重なれば、球種の幅は狭まり、投手に不信感を与え、思い切り攻めきれなくなってしまう。

 今年のDeNAのバッテリーエラー数は、58試合を経過して暴投16、パスボール3と昨年に比べ減っている。この数字は、正捕手争いの中で磨いてきた戸柱のキャッチングが身を結んでいる結果ではないだろうか。

 今シーズン、DeNA戦の中継では、投球後に「ミットに吸い込まれるようです」「ミットが動きません」など、昨年までにはあまり聞かれなかった実況の言葉を耳にする。投手のコントロールを褒める表現として使っているのだろうが、これも戸柱のキャッチング技術があってこそといえる。

 戸柱が首脳陣に高い評価を得ているのはキャッチングだけではない。大学時代から強肩で知られる戸柱。正捕手の座をつかんだのは意外にも遅く、大学3年の春だ。中学時代は投手、高校時代は三塁手だったことも、強肩キャッチャーの伏線となっている。セカンドへの送球スピードは、プロであれば2秒を切るといわれる中で、試合中でも1.8秒台を出すこともあり、リーグトップクラスのスピードだ。

 キャンプ当初、ラミレス監督は「捕手に野球IDは求めない。キャッチングとスローイングがしっかりできること」と凡事徹底の方針を明言し、配球のサインはベンチから出していた。「いかに内角を攻められるか」をテーマとし、自ら勝負どころでインコースを要求していた。戸柱の起用が増えたのは、キャッチングとスローイングを重視してのことだったのだ。しかし、オープン戦の中盤からはベンチからサインを送ることをやめ、捕手に任せた。

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