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一軍初昇格の平沢大河を「一流の野球選手」にする大村流の人間教育 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「まだ18歳。未成年ですからね。社会人としての教育も重要視しています。雨の日には傘が必要なように、野球選手として必要な基本的なものを揃えているところです。試合前の準備はしっかりし、夜も練習する。一軍の投手を見て、勉強をする。いい睡眠をとる。お菓子ばかり食べない。炭酸飲料ばかり飲まない。それに悪い人の見分け方も教えていかないといけない」

 大村コーチは自ら「学校の先生みたいだな」と笑って、話を続けるのだった。

「まだ完璧とは言えませんが、プロとしての試合前の準備もできるようになってきました。きちんと説明すれば理解するし、野球への探究心があり、自己分析もできる。頭の回転が早いし、性格も前向きなところがいい。でも、最初の頃は草野球でもやるかのようにふらっーと球場に来ていましたよ(笑)。また、昨年まで授業を受けていた時間にプロ野球で試合をしているわけですからね。ゼロからのスタートなのでできないのは仕方ないけど、プロはそんな準備の仕方ではダメだよと。

 練習から試合に入る前は、球拾いをして、アップをして、シートノックの準備をして、試合開始15分前に素振りをする。毎日のルーティンが無意識にできるようになることが大事だよと。それを続けて、試合を重ねていけば、技術は上がっていくものです。実際、試合にも慣れて、プロの投手の強い真っすぐも捉えられるようになってきました。利府(4月10日の楽天戦)でミコライオからホームランを打った瞬間は……『やっぱり(モノが)違うな』と思いましたよね」

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